「私は出張などで訪れた街で,おいしいラーメンを見つけだすことを,1つの楽しみにしています。ラーメン屋さんについては,知人や友人から教えてもらったり,地元の情報誌で調べたりするなど,情報源はいろいろあります。しかし,彼らと私の味覚の好みが違うのか,評判の割には今ひとつだった店も少なからずありました。彼らは決して嘘をついているわけではないのでしょうが,私にとっては誤った情報だったのです。このように,情報を鵜呑みにするのではなく,自分の足(と舌)で確かめることも,非常に重要であることを実感しています。」と当社社長のお話。 これは,社会一般に対しても同じように言えることです。私たちの周りには,実に多くの情報が流通 しています。雑誌は次々に新しいものが創刊され,テレビはディジタル衛星放送などによって,チャネルが急速に増加しています。また,日常的な友人との会話も,大きな情報源になりますし,そのような個人的なおしゃべりも,インターネットというメディアを通 せば,ワールドワイドに広まっていきます。これからの時代を生きていく私たちは,あふれる情報の中から,自分にとって本当に必要な情報だけを見抜く力が必要になります。また,情報の発信者がどのような意図をもって,その情報を発信しているかを考えなければなりません。 逆に,自分の考えを正しく相手に伝える能力も必要になってきます。これらの,情報を収集したり発信するために必要な能力は,「情報リテラシー」という言葉で呼ばれています。そのためには,パーソナルコンピュータなどの情報機器を「使いこなす」知識が要求されています。ただし,「使いこなす」ということは,決して,マニアックでディープな知識を見せびらかすことではありません。また,コンピュータを使うと効果 の高い場面ではコンピュータを使い,そうでない場面にはコンピュータを使わず,他に適当な機器があればそれを使う,という「賢い使い分け」ができることも重要です。決してコンピュータ(やインターネット)を万能視するものではありません。 ほんの数年前まで,個人でコンピュータを購入し,コンピュータネットワークを利用しているのは,一部のマニアぐらいでした。気がつくと,コンピュータやインターネットは,日常生活の中にしっかりと根付いています。 2003年4月から始まる高校の新しい教育課程で,普通教科「情報」が新設されますが,ぜひ多くの生徒さんたちに,「情報リテラシー」を身につけていただきたい,という強い思いを込めて,「情報」教科書を編集しています。 (編集部 「情報」担当 某著)
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